PocketSkyView と一緒に使うビューアは何がいい?

PocketSkyView と一緒に使うビューアは何がいい?

PocketSkyView / 青空文庫ブラウザに収録されている作品を見るビューアはいったい何がいいのか?
そういう声もありましたので、6種類のビューア・エディタを使って検証してみました。
今回は、この中で一番利用されると思うテキストファイル ( ルビつき ) で検証します。

どのようなビューアがある?

まず候補としては、電子書籍を閲覧するための専用ビューアと、テキストファイルを編集するエディタの2種類があります。

専用ビューアは電子書籍を閲覧するためのソフトなので、読みやすさと操作のしやすさが考慮されています。
例えば、縦書き・横書き表示・ルビを振る・縮尺 ( ズーム ) を変える、読んだページにジャンプできるしおりなどの読むために便利な機能があります。

エディタは、基本的に文書を入力・編集するために使用するソフトなので、入力のための機能は多いですが、専用ビューアのような読むための機能は充実していません。その代わり、起動も軽快でシンプルな動作が売りです。

今回は、以下の 6種類のビューア、エディタを調べてみました。

専用ビューア
T-Time 無償で使用することが出来るドキュメントビューア。青空文庫のルビに対応しているソフト。
ブンコビューア W-ZERO3 にバンドルしているビューア。青空文庫のルビにも対応。


エディタ
Word Mobile WM 標準で使用できるワープロソフト
〇号エディタ マクロなども使用することが出来る高機能エディタ。ファイルサイズ 64K超が開けない。
UKEditor シンプル軽快なエディタ。
JUSquid WM5.0 ソフトキーに対応したシンプルなエディタ。


起動時間の違いは?

では起動時間の測定を行います。
使用機種は、Willcom WS007SH ( W-ZERO3[es] )。PocketSkyView を使用して miniSD 上にダウンロードした
愛知 敬一氏 - ファラデー伝 ( ルビつきテキスト ) 184.17KB
を開いてみて、完全にファイルが開かれユーザが操作できるまでの時間を測定しました。
またついでにファイルを開いたときの使用メモリも計測します。

起動時間と使用メモリ
ソフト 起動時間 ( 秒 ) 使用メモリ ( KB )
専用ビューア

ブンコビューア v1.0.0 ([es]バンドル) 5 820
T-Time for PPC v1.0 6 1270



エディタ

Word Mobile ( WM5.0 バンドル ) 2 900
〇号エディタ v1.1.0 40 900
UKEditor v0.9.0.11 27 1170
JUSquid v1.01 2 760


結果は?

起動が素早くメモリ消費も少ない T-Time
今回は 184KB という大きなファイルで使用感を試したので、大規模なファイルを想定していないエディタが不利になったという印象です。

専用ビューアの方は、ブンコビューアも T-Time もほぼ同時に起動しました。差は 1~2秒ほどです。
両ソフトともファイルの最初しか開いていないので、起動が早いのだと思います。

使用メモリは、ブンコビューアの方が T-Time よりも 450KB 程少ないのでメモリが少ない Windows Mobile 機では有利でしょう。

実際にファイルを表示してみてスクロールを行うと、ブンコビューアがルビを表示させるとスクロールがカクカクと遅くなるのに対し、T-Time はルビを表示させても顕著なスピードダウンは見られませんでした。

有名エディタが苦戦。意外な伏兵 Word Mobile。
エディタの方は、意外な結果で Word Mobile が起動時間 2秒で大健闘。同じく JUSquid も 2秒という驚異的なスピードでファイルが開きました。
予想に反して時間がかかったのは UKEditor と〇号エディタ。
中でも〇号エディタは、開ききったと思ったら 64KB 以上のファイルを開けないという警告が出て、ファイルをすべて見ることが出来ない?結果となってしまいました。

このパフォーマンスを左右したのが、ファイルの開き方にあると思います。
UKEditor と〇号エディタは、ファイルを開くとすべてのデータを読み込むのに対し、Word Mobile と JUSquid は、サイズの大きなファイルのときはファイルの先頭のみ開いて、スクロールをしていくと徐々にファイルを読み込むような作りになっているのでしょう。

ここで JUSquid を一押しとしたいところですが、致命的なバグを発見。
徐々にデータを読み込んでいく作りがあだとなったのか、下にスクロールをしていくと何故か何も表示されない現象が現れてしまいました。( またフォントを変更してもフォントとサイズによってはフォントが変わらない不具合?もありました )
軽快にさくさく動くのに残念です。

  1. ブンコビューア v1.0.0


  2. T-Time for PPC v1.0
    http://www.voyager.co.jp/T-Time/update/ce/index.html


  3. Word Mobile


  4. UKEditor v0.9.0.11
    http://homepage3.nifty.com/UK-taniyama/tools/UKEditor.html


  5. 〇号エディタ v1.1.0
    http://www.fermes-soft.com/zhe_download.htm


  6. JUSquid v1.01
    http://aimakidechi.hp.infoseek.co.jp/jasjar/0070_create_apps/JUsquid.html




ベストな選択は?

書籍を読むという観点からすると、専用ビューアを使うのがベストでしょう。
特に、「ファイルを開くと、読んだところから再開してくれる、しおり機能」が長編を読むときには無くてはならないものになるでしょう。

ではブンコビューアと T-Time のどちらかに軍配を上げるとしたら、私はブンコビューアに軍配を上げます。

項目 ブンコビューア T-Time
しおり機能 △ ( miniSD のファイルを開いた場合機能しない )
単独起動時のファイルの選択 △ ( miniSD のファイルは選択できない?)
スクロールスピード △ ( ルビをつけると重い ) ○ ( ルビをつけてもあまり遅くならない )
見易さ ○ ( くっきりはっきり ) △ ( フォント表示がソフトフォーカスがかかっているようでちょっと見にくい )


T-Time を miniSD にインストールをしたからなのか分かりませんが、T-Time は miniSD のファイルを開いた場合、常にファイルの先頭から開いてしまい、しおり機能がうまく働いていませんでした。

また T-Time を単独で起動してファイルを開く場合、メインメモリ My Documents 以下のファイルを開くことは出来ますが、それ以外の miniSD 等のフォルダに配置したファイルを開くことができません。
ブンコビューアの方は、ファイルエクスプローラのようにフォルダ階層をたどってファイルを開くことが出来ます。

T-Time は、操作性やしおり機能などの基本機能なども充実しているソフトですが、残念ながら 2004年6月以来バージョンアップされていません。
是非最新の Windows Mobile に対応したバージョンをリリースして頂きたいものです。

W-ZERO3 系でブンコビューアがバンドルされている場合は、ブンコビューアを使い、ブンコビューアがない場合は T-Time を使うと良いでしょう。
( ※シャープ SpaceTown で XMDF 対応のブンコビューアが無償で配布されていますが、こちらは XMDF フォーマットのみの対応で、テキストファイルを読み込むことは出来ません。)




次にエディタの選択ですが、好き好きがあるのではっきり断定するのはなんですが、起動速度、安定性から Word Mobile が現時点ではベスト ( ベター? ) な選択といえます。

〇号エディタは、64KB 以上のファイルを開けませんし JUSquid はファイルの途中で文字が表示されない不具合があります。
それに対し Word Mobile は、起動も早いですしスクロールスピードも悪くないです。
ただし今回は大きなファイルを開くテストをしましたので UKEditor の分が悪いですが、スクロールスピードは、Word Mobile より UKEditor の方が早いですし、起動時間が気にならない場合は、UKEditor も良いと思います。

Tag: ソフトウェア PocketSkyView